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艦橋へ
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第三主砲塔の左舷側を通って行きましょう。そこから下の桟橋を覗くと、修理中の部品がゴロゴロ転がっています。20mmCIWSとかが取り外されて整備中なのです。しかし、これは何時
になったら搭載されるのでしょうか。横には錆だらけの127mm砲弾が無造作に積まれています。コレもいつか綺麗に磨かれペイントされるのでしょう。近くにボランティアの詰め所が
ありますが、彼らが整備をしているんでしょうか?

ガックリ天を仰ぐCIWS。 艦に戻されるのはいつの日か?
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砲弾磨きは新兵の役とは言え ...
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左舷側にある127mm両用砲は中が見られる様になっています。半自動装填の巨大な尾栓が目に付きます。当時世界各国の戦艦に採用されていた対空砲の中では、ずば抜けた性能ではあ
りませんが、堅実な設計と、確実な動作、そして何よりも装備している砲弾の優秀さで、秀でた存在となっています。未だに各国海軍に採用され続けているのが何よりの証拠でしょう。
慣れた操作員なら1分間に20発以上発射でき、実写フイルムでもボカスカ撃っている所が見られます。コレによって阻止された特攻機は多く、多数の空母を守り抜きました。下方に
撃ち殻を砲塔外に排出する扉があります。本格的な対空戦にもなると、この周りには排出された薬莢がゴロゴロしてたことでしょう。

前回、向こう向いてたこの砲は 今回艦首方向に旋回していました。
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こう見るとなかなか迫力があります。 それにしても何かと細かくしがちな 日本海軍に比べて 実に簡素なシールドです。
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127mm砲は計6基積んでいますが、 艦砲射撃が主任務となった昨今なら 全部取り外しても構わなかったのでは。
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巨大な尾栓が見えます。 それにしても狭い。 この中で装填作業は大変でしょう。
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127o砲弾とその薬莢部分が見えます。 人間が手動で装填する限界の大きさでしょう。
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ここから撃ち殻が出てきます。 戦闘中は近づけませんね。
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幾つかの梯子を登り艦橋に上がっていきます。梯子はかなり急角度なので、気を付けた方が良いと思います。場所柄ビーチサンダルなんかで来る人がいるかも知れませんが、軍艦の上
は想像以上に煩雑で、又登り降りしますから、ちゃんとしたシューズが必要だと思います。
上がった所は英語ではシグナルブリッジ、日本語では信号所甲板あるいは旗甲板という所で、軍艦の通信の一部を占める信号旗を上げ下げする所です。色んな種類の信号旗がきれい
に畳んで収納されていますが、それが何の意味があるのかは各個書いてあるのを見てもチンプンカンプンです。今回はミズーリは満艦飾をしていました。満艦飾と言うと、良く運動会
のイメージがあるのか、各国の国旗を繋げて掲揚している、いわゆる万国旗と勘違いしている人がいますが、この信号旗を使っているのです。並べ方も規則がありますが意味は分かり
ません。知り合いに海自の人がいれば教えて貰ってください。本来は日没時に降ろされますが、今回のミズーリの満艦飾は特例臭いので、一晩中飾っているでしょう。

信号旗がずらっと。 戦闘中は無線が基本的には使えないので、 昔ながらのこれは大事な通信方です。
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コレも大事な発行信号を送るサーチライト。 横のレバーで、前のシャッター開け閉めして 通信を送ります。
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話は変わりますが、今回の特例というのは、対岸に入港していたニミッツ級空母ジョン・C・ステニスの艦上で話題の映画「パール・ハーバー」のプレミア上映会が開催されること
です。お偉いさんや俳優も来るので、その為の満艦飾です。因みに今回(2001/5)のハワイはこの映画の話題で溢れかえっていました。本屋にも真珠湾空襲の関連本が山と積まれて
います。

今回の特例。 ニミッツ級空母、ジョン・C・ステニス。 さすがに大きいです。
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映画の準備が着々と ... コレのおかげで、基地が閉鎖されるとのこと、 予定より早く切り上げなくては ...
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旗甲板から艦尾方向に進むと、そこにはトマホークミサイルが搭載された一角があります。トマホークミサイルは皆さんもニュース映像なんかで散々見たことがあるだろうアメリカの
怒りの一撃ミサイルで、アメリカの覇権に挑む国には容赦なく、コイツが飛んできます。一つのキャニスターに4発宛入っていて、発射時には仰角を掛けます。色んな艦船に搭載
されていますが、さすがに戦艦は大きいためにここ以外にも計8基32発搭載され、この間の湾岸戦争時にはミズーリは28発発射したそうです。残念ながら、キャニスターを回り
込んで、射出口の方は見えません。前回は正面からでも見られたのですが..出来れば仰角を掛けて発射態勢を見せて欲しいです。

アメリカ砲艦外交の切り札トマホーク。 人畜無害なケースに入っていますが その実は ...
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外見はただの物置ですね。 けど、中身には世界の警察国家アメリカの 威信が詰まっています。
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トマホーク甲板は余り見る所はないのでチャッチャと済ませて、艦橋の右舷側に行きます。ここにはチャフ発射機が置いてあります。これは口径130mmの臼砲の一種でチャフや、
デコイとかいわゆるミサイル避けのおまじない付き囮を発射するモノです。6連装で一基を構成して、対艦ミサイルが飛んできたら、ポンポン発射します。
チャフ発射機が対ミサイル用のソフト・キルなら、お隣に装備されている(されていた)20mmCIWSは直接ミサイルを撃ち落とすハード・キルです。真っ白いタコ坊主頭の様な
レーダードームとバルカン砲をくっつけた代物で、一分間に3000発の発射速度で、ミサイルを撃ち落とします。ただし電源を入れ忘れて直撃を食らったり、照準ミスで、戦後初
の海自による米軍機撃墜を果たすなど、いささか暴走気味ではありますが。先にも言いましたが、現在整備中のために、ここには台座しかありません。何時になったら搭載されるん
でしょうね。

他の国が比較的凝った形をしているのに対して、 このアメリカ製の発射機は実に単純です。
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トマホーク甲板から見上げた 第1煙突と前檣。
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