7月28日 サンクト・ペテルブルグ最終日
前日の通訳をしてくれた青年に 「あなたと運転手を車付きで個人的に雇うといくらになるの?」 と交渉する。サンクト・ペテルブルグ最終日であるが見ておきたいところが山程あるのだ。約10時間で一人100ドルで交渉成立。公共交 通機関に不慣れな我々としては、これが一番いい方法だと思う。運転手に軍事関係の展示物があるところに連れていってくれと頼んだ。政治歴 史博物館、サンクト・ペテルブルグ歴史博物館、潜水艦D−2号、魚雷艇コムソモーレッツなどなど、昼食を挟んでサンクト・ペテルブルグ 市内を隅々まで回る。(軍事関係だけだが..)ここまでは大体、我々のリクエスト通りだったが、運転手が何を思ったのかふとハンドルを 切り、海岸沿いの人気の少ないホテル通りに入った。そこには我々が想像もしていない物がその巨体を横たえていたのだ。 | |||
ネバ川の艦艇を数隻紹介。 最初はポーク型哨戒艇。 排水量480t、SA-N-5SAM×1、 76mm砲、30mmCIWS各1、 406mm対潜魚雷発射管×4を装備する 対潜高速艇である。 |
パルヒムU型警備艦。 旧東ドイツからの輸入艦で排水量960t、 SA-N-5SAM×2、76mm砲、30mmCIWS、 RBU6000対潜ロケット発射機×2、 533mm連装魚雷発射管装備で かなりの重兵装である。 |
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スモールヌイ型練習艦(艦名ペレコプ)。 ポーランドで建造。 排水量15000tと見かけより大型だ。 76mm連装砲や対潜ロケットなど武装も 練習艦にしては比較的強力。 |
D級潜水艦(D2、艦名ナロドヴォリエツ)。 ワシリーエフスキー島の潜水博物館に展示。 水中排水量1354t、全長76m、 艦首6,艦尾2の計8門の533ミリ発射管を装備。 ドイツの\型に相当する中型潜水艦。 |
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艦橋部のクローズアップ。 艦首側に見えるのは10cm単装砲。 このクラスは信頼性に欠け、 水中安定性も悪い失敗作だそうな。 |
魚雷艇コムソモーレッツ。 パッとしませんね。 |
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巡洋艦キーロフの主砲塔 それはソ連最初の近代的軽巡と言われたキーロフの前部主砲塔である。しかもそれを2基背負い式にして展示しているのである。とにかく呆 気にとられた。背景のビルの壁面に何やらキーロフの艦歴などが書いてあるようなのだが周りは人っ子一人いないし、車すら通らない。なの に、この砲塔は凛として砲身を振り上げ遙か洋上を睨んでいるのであった。しかしデカイ。18センチ砲とはいえ三連装ともなるとこの巨大 さだ。 | |||
いきなり現れた巨大な砲塔群。 軽巡キーロフの主砲塔だ。 |
一体、何を狙ってるのやら・・・ |
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この迫力、砲身同士の間隔が狭いのは、 同一砲鞍に装備されてるってことかな。 |
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シュリッセルブルグ要塞 市内を殆ど見回った我々は齋木氏のたつての願いで郊外にあるシュリッセルブルグ要塞に向かった。のどか〜な田舎町を車は飛ばす。ホントに ロシアは広大だ。そしてとても豊かな国だと思う。国家としてはじり貧だけど..雪さえ降らなきゃアメリカなんかをも凌ぐ一大農業国家にも なれたろうになぁと、窓の外を流れる緑濃い景色を眺めながら思った。市内観光の疲れからウトウトしていると、どうやら着いたらしい。3時 間近くも走ってた様だ。 | |||
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要塞からの帰り道で齋木氏がどうしても、KV85が見たいという。列車の出発時間と天候を気にしながら、市内に戻る。KV85は公園内に
トーチカの銃眼なんかと一緒に立派なモニュメントとして展示されている。どうでもいいがロシアのガキンチョはこうやって屋外展示してある
戦車に登るのが大好きなようだ。何処に行っても何人かの子供が戦車の上で遊んでいる。辺りには当然柵はないし、登るなとの注意書きもない。
ある意味で子供達に軍隊との接触を増やす良い手段かも知れない。自衛隊なんかでもどうだろうか。少なくとも国民を守る軍隊を身近に感じる
ことが出来よう。さっきから齋木氏は上面からの写真を撮りたくて戦車の上に登ろうと四苦八苦している。私もハワイのM24に登ろうと
して苦労した覚えがある。その倍はあろうかという重戦車だ。体力の無さも相まって、齋木氏は転輪に足を掛けるのみで身体がちっとも浮かな
い。呆れていたロシアの少年達が手を貸してくれて、ようやくよじ登るのに成功したようだ。やれやれ..
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さらばサンクト・ペテルブルグ
ものすごい土砂降りの中をサンクト・ペテルブルグ駅に飛び込む。別れ際に超過料金も合わせて..と言うよりも懇切丁寧に我々のわがままな リクエストに応えて、車を走らせてくれた運転手と一生懸命に軍事用語の日本語を勉強した通訳さん..彼は岡山の大学にいたことがあったそ うな..この二人に少しばかりの心づくしと言うことで、20ドル多めに手渡した。平均月収300ドルと言われているロシアだ。運転手さん は満面の笑みを浮かべて、喜んでくれた。モスクワ行きの夜行列車に再び乗り込んだ訳だが、今度は私も下側のベッドだったのだが、同室の若 夫婦が下側を使わせて欲しいと言っているので、また上側で寝ることになる。どうか落ちませんように... | |||
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